iの視点

 "i" は虚数単位で実数軸と直交するベクトル.少し変わり者の僕の視点から見ている世界.
  by 陽之理  since 2005
 2017.06.16 Friday
20170616 Gustav Mahler Symphony No.3
 マーラーの3番。一番好きな交響曲。特に好きなのは1楽章。前は終楽章だったけど。
 これまで,ショルティの演奏で十分満足してた。弦も表情豊かだし,シカゴの管楽器が素晴らしいのは言うまでもない。
 ブーレーズとシャイーの演奏は今風でウィーンとコンセルトヘボウで上手いし整っているし,響きも素晴らしいんだが,僕には何も心に訴えてくるものがない。なぜかよくわからない。
 ちなみに、バーンスタイン,テンシュテットのマーラーは僕には全然ピンとこない。
 ノイマンは縦の線があまり合っていないが,一音一音すべてのパートが歌っている。チェコの弦も素晴らしい表現力。特に3楽章のポストホルン,他の演奏では聞き逃してしまう旋律を表に出していて,あれ?こんなのあったっけと。メルヘンチックという言葉があてはまるかも。激しさが無いというか、とても大切に演奏している。たぶん演奏者もノイマンと録音するのはこれが最後の機会と慈しんで演奏している感じが伝わる。カラヤンの最晩年のブルックナーみたいな透き通った演奏。こういう想いの伝わる演奏ってわかるんだよな。
 アバドはとてもいい。今まで特徴のない指揮者という印象で,どちらかというとどうでもいいと思っていたが,シカゴとの幻想交響曲だけは素晴らしかった。ベルリン時代は今でもそれほど聴いたことがないが,ブラームスは最近とても見なおした。しかし,この一度めのマーラーの録音は素晴らしい。ほんとに見直した。すっきりと見通しが良くて,歌っていて,3番はものすごくゆっくり。それでもしっかり旋律ができている。1,3,4,5,6,7は,いろいろ持ってるマーラーのほとんどベスト。
 シノーポリの演奏は,なんか管楽器の音程がピッタリしてない気がする。あまり楽しくはない演奏。
 ベルティーニの演奏は素朴で誠実。堂々と落ち着た無理がない自然体。ただ頑張ってるな,という感じはあるが,すごく上手いわけではなく,華麗な感じがない。ホルンもいろいろ種類があるらしいが,野太い感じ。このあたりは趣味にあわない。1番も悪くない。5番はなんだかな。
 マイケル・ティルソン・トーマスの演奏はアバド並にゆっくりでいい。MTTはほとんど聴いたことがないので,まだ評価や感想が固まっていない。ただ,最後の6楽章の歌いっぷりがなんか俗っぽくない?もう少し聴いてみる。

20170623-193119-15









Gustav Mahler Symphony No.3
RateConductor/Orchestra I II III IV V VI
★★★★Solti/CSO30:459:4816:509:584:1220:44
Boulez/VPO33:549:2716:389:174:0522:22
Sinopoli/Philharmonia33:2210:4118:2311:064:0322:56
Chailly/Concertgebouw34:479:3817:1810:084:1822:57
★★★★★Abbaddo/VPO34:149:2816:5710:434:3126:37
★★★★Neumann/Czech34:209:0815:449:124:4120:07
★★★MTT/San Francisco36:1610:1018:5810:254:2426:31
★★★Bertini/Cologne33:5310:0119:3310:494:0425:58

by 陽之理22:39音楽 | -
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